さっきから、私の心を読んでるかのようなタイミングで言葉を発する秋夜さん。



「だって、読んでるもん」


「読心術ね」



司さんが呟く。



「そうそう。読心術使ってるからね」



読心術…ということは、私の考えてることは全て…



「筒抜けだね」


「っ!」



それじゃあ、何も考えられないじゃん。



「ま、気にしないでいいよ。それよりいいこと教えてあげる」


「いいこと…?」


「そ。ボクの言ったことを信じて貰うためにね、椎名に目をつけたタイミング。それを教えてあげる」



椎名先輩。ふと、彼の存在を思い出す。


そうだ、椎名先輩の告白、好意がしつこ過ぎて私は秋月くんに彼氏のフリをして貰うように頼んだんだ。


それも、ずっと前のことのように感じて懐かしさを覚える。


最近はずっと会ってするいなかったから余計そう思うのかもしれないけど。



「これだけは先に言っておくから」


「…何ですか?」


「ボクが秋月を見つけた時には君たちは一緒に居たし、その姿を見ている椎名に近づき椎名をそそのかした。


それまで、椎名が君にどんなことをしていたのかは知らないけどさ。


ボクが君たちを見つけた時から君と秋月は一緒に居た。それは間違いないから。


何なら一度、一人で居た君を狙ったことがある。


その数日前だね。君たちを見つけたのは」



一人で居る時に狙われてた…


それって、京子とショッピングモールに行った時のことか…