ここに残されたのは秋夜さん、司さん、気を失っている椎名先輩、そして私の四人。



「あーあ。逃げちゃった。情けないなー」



笑いながら言う秋夜さんに反省の色は全く見えない。


逆にしてやったりの表情でずっと楽しそうに面白おかしく笑っている。


どうやら、秋夜さんは根っからのサディストだったようだ。



「真琴、あなたも追いかけないと」


「あ、えっと…私が行ってもいいんですかね…」


「あなたが行かないで誰が行くのよ」



司さんはそう言うけれど、私が秋月くんの元へと行って、どうにかなるのかな…


秋夜さんは私が秋月くんに愛されてるとかありえないこと言ってたけど。


私が一方的に秋月くんのことが好きなだけで、秋月くんはきっと私のこと何とも思っていないもの。


愛してるとか、秋夜さんの勘違いに違いない。


双子だから気持ちが分かるとかそんなことありえないもの。


彼の気持ちが私に向いてるなんて…そんなこと絶対ないんだ。



「ねぇ。君、ボクが言ったこと信じてないよね」


「え?」



秋夜さんが呆れたような表情で私を見ている。あからさまにため息を吐く始末。