秋月くんが叫んだと同時に姿が消えた。


次に現れた時には秋夜さんの目の前で拳が彼を吹き飛ばしていた。


凄い力で殴られたのだろう。


秋夜さんの体は数メートル飛び地面に倒れた。



「ははっ!さすが秋月。やるじゃん。でもね…!」



秋夜さんが居なくなったと思ったら、秋月くんへと迫っていて真正面から彼の腹部を蹴り上げた。



「…ぐっ」


「ボクの方が強い。そこの二人も遠慮せずにかかってきなよ」



頬を殴られたせいで口の中が切れたのか秋夜さんは血を吐き出した。


そして、挑発するように両腕を広げ、無防備な姿を見せびらかす。



「ほら。いつでもどうぞ?」


「司!」


「分かってるわ。但し、無茶はしないこと。いいわね」


「了解!」



お兄ちゃんが走り出す。


ポケットから数枚の札を取り出すと瞬時に放つ。



「放(ハナテ)!」



唱えればそれらは輝き出し、矢となり放たれる。


いくつもの矢が迷いなく秋夜さんを襲う。


不規則な先を予想出来ない矢の動き。