『あら、松浦君。待ってるなんて、珍しい。』




ドアから出てきたのは沢木。


俺を見るなりそう一言。



その後ろから
ヒョイッと顔を出す麗子ちゃん。




『麗子ちゃん!待ってた!』



『、、、別に待ってなんて言ってない』



うん。


変わらずきつい一言ありがとう。



でも俺は負けない。


なんたってデートに誘う決意を
してきたわけだから。



『で、松浦君。麗に何か話があるんでしょう?』



『おう。麗子ちゃんにデートのお誘いに来た』



『…………デート?』




ググッと眉にシワを寄せて
俺を見つめる。


あら、これは駄目っぽい?



結構俺、これでも勇気出して言ったんだけど
真剣にとらえてくれてない感じ?



麗子ちゃんは少し黙ってチラッと俺を見ると



一言。




『カップルじゃないんだから』