青春、始めます!







 勇気がないあたしは、何も言えずに、その場で俯いて、必死で涙を堪えているだけ。



「美喜っ!どうしたんだよ?小西もどっか行くしさ。」


 優喜があたしの前まで走ってきて、そう言った。

 息が切れてるから、きっと、いきなり何処かへ行くマミコちゃんに焦って、あたしのところに来たんだろう。

 さっきまで隣にいてたのはあたしだから、なにかあったんじゃないかと思ったのかな?



 それより、マミコちゃん、荷物の所に行ったんじゃなかったんだ。

 方向はそっちだったけど、多分、通り過ぎたんだろう。



「…………」


 あたしはただ、黙っていた。


「美喜ちゃん?」


 そう声をかけたのは、森永君だった。

 涙でぼやける狭い視界のせいでよく分からないけど、あたしの目の前には優喜と森永君と高田君がいると思う。


 ビーチサンダルの色でしか判断できないけれど。




「あたし、最低だ……」


「え?」



 何も、知らなかった。

 マミコちゃんの苦しみを、悲しみを。


 <親友>

 あたしにはそんなもの、出来たことがなかったから、分からなかった。


 でも多分、あたしとマミコちゃんは親友なんだと思う。

 だって、今まで出来た友達の誰よりも大切だと思えたから。


 それなのに、あたしは自分のことばっかで。