あたしが聞こうと決心した時、あたしと龍心を呼ぶ声がした。

こんな風に呼ぶのは、1人しか居ない。

「愛理」「あい」

あたしと龍心が愛理の名前を呟いたのは、同時だった。

「何してんの?こんなとこで」

笑いながらこちらにやって来る愛理。

「心奈とあいって、友達だったの?」

「そうだよ〜
言ってなかったっけ?」

仲良くしゃべりだす2人。

ちょっと待って、あたし一人だけ取り残されてる気がするんですけど?

「あの〜、2人は知り合い…なんですか?」

遠慮勝ちになんとか聞いてみた。

「うん、幼なじみ」

「はい?」

愛理の言った一言がなかなか理解できないあたし。

「今の家に引っ越す前に住んでたアパートの隣に住んでたんだよ。
うち父さんしか居なかったから、あいん家でご飯食べさせてもらったりしてたんだ」

「りゅうパパ再婚してから会ってなかったから、9年ぶりに会ったってわけ」

なるほど、ようやく頭が状況についていけた。

「だから、あたしたちが本当の兄妹じゃないってこと、知ってたんだ」

「そう言う事♪」