心奈side

愛理の爆弾発言のあと、あたしはずっと上の空だった。

「心奈?」

「えっ、あっ、ごめん!なんだっけ?」

放課後、侑希と学級委員の仕事をしていても、あたしはボーとしていた。

「だーかーら、文化祭の出し物、今日のホームルームで出たやつを書類に書かなきゃいけねぇんだって」

「あっ、そうだった」

まだ6月だけど、10月に行われる文化祭の出し物を決めた。

他のクラスとかぶったら抽選しなきゃいけないし、その上落選なんてしたら、また案を練り直さなければいけない。

うちのクラスは、執事カフェになったらしい。

司会進行のあたしは、そんな時でも上の空だったから、全然覚えていない。

「お前大丈夫?ホームルームの時もボーとしてたし」

侑希が心配そうにのぞき込んでくる。

「大丈夫!早く書いて、提出しちゃお!」

「あっ、おう。そうだな」

なんでもないふりをして、あたしと侑希は書類作りを始めた。