君色のこころ〜1番近くて1番遠い〜



龍心side

「ねえ、龍心どっちがいいと思う?」

そう言って俺の目の前にぬいぐるみを2つ差し出す心奈。

「………心奈、それ心結にあげるわけじゃねぇよな?」

「やっぱ…ダメ?」

「心結は男だからな!?」

心奈が俺に見せたのは、くまのぬいぐるみとうさぎのぬいぐるみ。

女子がめっちゃ好きそうなやつ。

「だって、心結可愛いから、これ持って寝たらあたしきゅん死にできると思うよ?」

「そりゃ、心結は可愛いけど、こんなのもらったって喜ばねぇだろ」

と言って、俺は心奈からそれを取り上げ、棚に戻した。

「可愛かったのに〜」

と、膨れっ面になる心奈。

「もっと中学生の男子がもらって喜ぶ物考えろよ」

「は〜い…」

俺たちはぬいぐるみの店を出て、またぶらぶら歩き始めた。