「あっ、来たよ!」

観客席の誰かの声で一斉にみんな入り口を見た。

龍心が先頭で入ってきた途端、

「きゃー!龍心ー!」「啓介ー!」「がんばってー!」

黄色い歓声が沸き起こる。

「うるさ」

「アイドルか」

「とんでもない時にオフィシャルになったな〜」

と、ため息をつくあたしたち。

そんなあたしたちの元に、龍心と啓介先輩がやってきた。

「3人とも、オフィシャルよろしくね」

にっこり言う啓介先輩とは対象的に、不機嫌そうな顔の龍心。

多分、この歓声に耐えられないのだろう。

「龍心、大丈夫?」

「大丈夫じゃねえよ。うるさすぎ。」

ははは…、ですよね〜(笑)

「頑張ってね?」

「おう、もちろん。
優勝は俺らだから」

不機嫌だけど、バスケのこととなると誰にも譲れない龍心。

自信満々な笑顔の龍心は、いつもより何倍もかっこいい。

やばい、こんな時でも龍心にドキドキする。