「そっ…、それにしても、まさか玲菜先輩が居るとは思わなかったな〜」
次の話題を考えていたあたしの口から出たのは玲菜先輩のことだった。
自分の馬鹿さに泣きたくなる。
結局玲菜先輩の話しちゃってるじゃん!
「あ〜、俺も入学してから一緒ってわかったから、びっくりした(笑)」
「えっ、知らなかったの?」
「おう、別れてからしゃべってなかったしな〜。
確かあいつの第一志望、どっかの女子高だったはずだし」
それを聞いて、不安が増した。
それってもしかして、龍心を追いかけてきたってこと?
「まあ、マネージャーが玲菜しか居ないし、助かってるんだけどな(笑)」
そう言って笑う龍心に、どう返せばいいかわからなかった。
「より戻したりして?」
何言ってんのよ、自分。
1番より戻してほしくないくせに、こんなこと言って。
「ないない、俺復縁とかはありえないから」
そう言った龍心に、ちょっと安心した。
でも、あたしの不安は完全に拭いきれなかった。
だって、玲菜先輩は今までの彼女の中で、1番長くて、深い仲だったから。
