「何かあった?」

二人になった途端、唐突に龍心が聞いてきた。

聞かれると思ってたけど、こんなにすぐに聞いてくるとは。

「え?」

「何か様子変だから、何かあったのかな〜って思ってさ」


「ううん、何もないよ?」

ここで玲菜先輩のこと聞いたらおかしいよね?

普通の妹は、元カノが現れただけで動揺しないよね?

「ならいいけど、あんま溜め込み過ぎんなよ?」

そう言ってあたしの頭を撫でた龍心。

やばい、心臓の音が半端ない。

「うん…、ありがと」

「おう、いつでも頼れよ」

きっとこれは、兄として言ってるんだよね?

わかりきってることなのに、ドキドキする自分。