振り返ると、そこに立っていたのはゆるふわパーマを一つにまとめて結んで、ジャージを着ている美少女。
この人は、私の忘れられない人だ。
「れ…、いな先輩…?」
「やっぱりそうだ♪
夏澄ちゃんにりこちゃんまで♪」
同じ中学の先輩、千葉玲菜(ちばれいな)さんだった。
「玲菜先輩!バスケ部のマネージャーだったんですね?」
「うん、あたしバスケ好きだし♪」
バスケが好きだけど、体が弱い玲菜先輩は中学の時からマネージャーだった。
まさか、同じ学校だったなんて。
「心奈、どしたの?」
動揺するあたしを、侑希が心配そうに見る。
「いや、玲菜先輩との再会で、ちょっとびっくりしただけ」
「同中なん?」
「うん、中学の時もマネージャーやってた。
同じ学校って知らなくて」
「そっか」
あたしが動揺してるのは、思わぬ再会だからってこともあるけど、玲菜先輩は…、
玲菜先輩は、龍心の元カノだから―――――。