「はぃ!?」

あたしからキスですと!?

「むっ…、無理無理!」

自分からキスとかしたことないし!

「無理とかない。ほら、早く」

テーブルの向かい側に座る龍心が目を閉じた。

その綺麗な顔に、見惚れそうになる。

「しないともう教えねぇぞ?」

一向にしないあたしにしびれを切らしたのか、そんな脅しをしてきた。

「わっ、わかったよ!」

数学教えてもらえないのは困るってば!

ええい!してしまえ!

あたしは龍心に近づいて、自分からキスした。

「よく出来ました」

と、あたしの頭を撫でる龍心。

「心臓に悪い」

「俺は嬉しいけどね〜」

楽しそうな龍心。

「バカ龍心!もう!あたしお風呂入ってくる!」

そう言って、立ち上がると、

「待って」

と言いながら、龍心はあたしの腕を引っ張り、あたしはすっぽり龍心の腕の中に収まった。

ぎゅっとあたしを抱きしめる龍心。