こんな真剣な啓介、初めて見たな…。

もしかして啓介は、気づいていたけど俺の口から聞きたいから、敢えて言ってなかったのかもな。

「心奈と付き合ってる。

俺らは本当の兄妹じゃない」

初めて友達に言ったな…。

でも何となく、啓介にはいつか言う気がしていた。

「おめでとう。

あと、俺お前らが兄妹じゃないってこと、知ってた」

「え!?」

啓介の発言に口をあんぐり開ける俺。

「その顔最高!お前のファンに見せてやりたいわ〜」

腹を抱えて笑う啓介。

いや、普通に驚くだろ!

「わりぃ、わりぃ。

まあ、説明すると、俺の親父さ、今店やってんじゃん?」

そう、啓介の親父さんは地元じゃ一番のラーメン屋をやっている。

週末は県外からも客が来るほどだ。

「店始める前は、お前の親父さんと同じ会社でサラリーマンやってて、同僚だったらしいぜ?」

「ちょっと待て、そんなん初知りだし」

父さん一言もそんなこと言ってねぇじゃん!

「やっぱ聞いてなかったのか〜」