電車の改札を出ると、見覚えのある後ろ姿が目に入った。

「宇海!」

その後ろ姿に夏澄は駆け寄った。

そう、紛れもない宇海だった。

「夏澄!制服似合ってんなぁ〜」

「宇海も城北の制服似合ってるよ♪」

うわ、なんか周りに花飛んでるよ、あの2人。

幸せオーラが半端ない。

「おーい、宇海〜、あたしらも居るんだけど〜?」

「あっ、心奈、りこ、おす」

「なんだ、その適当な挨拶は(笑)」

この二人のようなやつを世間ではバカップルと言うのか。

なるほど、勉強になる。

「もう、貴重なデートなんだからさっさと行きな。
部活始まったら、こんなふうにゆっくりデートできないんだから」

あたしたち四人は、中学の時バスケ部だった。

宇海が進学した城北高校は県内で1、2を争うバスケの強豪校。

練習は超ハードで休みなんてほとんどないらしい。

あたしたちが通う早川高校も、そこそこのレベルだけど。

もちろん、あたしたちはバスケ部に入部するつもり。

「おう、じゃあそろそろ行くわ」

「二人ともバイバイ♪」

そして二人はデートへ行ったのだった。