龍心side

「で、僕に何か報告することないの、りゅうくん?」

新学期の昼休み。

啓介と二人で空き教室で飯を食っていた時、啓介がニコニコ気持ち悪い笑みを浮かべて俺に言った。

「は?報告?」

思い当たる節がない。

何を報告するんだ?

「玲菜と別れたことなら言っただろ?」

「違う、違う!新しい彼女のこーと!」

「ぶっ!」

啓介の発言に飲んでいた野菜ジュースを吹き出しそうになった。

「なっ…、なんのことだよ?新しい彼女なんて居ねぇよ?」

「とぼけんなよ、龍心。俺はとっくに気づいてるよ?」

真剣な顔で俺を見つめる啓介。

「俺のこと、信用してないの?」

「そんなわけねぇだろ!お前は一番信用できる奴だよ!」

俺は思わず声を荒らげた。

「じゃあ言ってよ。俺はいつでもお前の味方だから」