あたしを校舎の壁にもたれかけれるように座らせると、龍心は正面に座って、少し赤くなったあたしの手首を撫でた。

そのままあたしの手を握って、呟いた。

「俺のせいで、恐い思いさせてごめん…」

龍心は顔を伏せているまんまだ。

「大丈夫だよ?龍心が助けてくれたから…。

助けてくれてありがとう」

「ギリギリでごめんな?」

「そんな!助けなんて誰も来ないと思ってたから、すっごい安心したんだっ…」

あたしが言葉を出せなくなったのは、龍心に抱きしめられたから。

前に抱きしめられた時よりも強く、優しく。

「もうこんな怖い目にあわせたくないから…俺に心奈守らせて?」

耳元でそう囁かれた。

「ずっと心奈が好きだった。

兄妹になる前から、ずっと」

抱きしめる力がもっと強くなった。

あたしはまた泣いてしまった。

10年以上も想い続けた人から告白されるなんて、夢にも思って居なくて、嬉しくて泣いた。