心奈side

次の部活の朝。

あたしはいつもより1時間以上早く家を出た。

朝一の練習だから、龍心はまだ寝ている。

気付かれないうちに出たかったし、いつもより1本早い電車に乗るためには、この時間に出るしかなかった。

それでも部活が始まるまで2時間ぐらいあるから、いつもより一駅早く降りて、一駅分歩くことにした。

「たまには散歩もいいよね〜」

なんて独り言を呟きながら、学校までの道を歩いた。

玲菜先輩との約束の時間までは、まだまだ時間がある。

あたしは部室で着替えて、玲菜先輩が来るまでシュート練をした。

でもいざその時が来ると、緊張するものだ。

「落ち着け…」

あたしはそう呟きながら、スリーポイントラインからボールを放った。

ボールは吸い込まれるように綺麗にゴールに入った。

「よし…」

あたしがそう呟いた直後、

「おまたせ」

玲菜先輩が入ってきた。