｢俺が心奈を抱きしめてるところを龍心先輩に見せて、諦めさせるって｣

｢何を諦めさせるの？｣

｢決まってんだろ、龍心先輩にお前のことをだよ｣

どういうこと？

｢あー、鈍感心奈！龍心先輩はお前のこと好きなの！｣

｢……はぃ！？｣

龍心が！？あたしを！？

｢周りから見れば過保護な兄貴だけど、血が繋がってないのなら、惚れてるんだろ、あの様子は｣

｢なっ、なっ、なっ！｣

本当かどうかはわからないけど、何か嬉しい。

て、そんなこと言ってる場合じゃない！

｢続き言うぞ？

傷ついた龍心先輩の弱みに付け込んで、玲菜先輩が告白する。

それに協力した。

案の定、龍心先輩は玲菜先輩と付き合った｣

｢そんな…、作戦が…｣

｢でも信じてほしい、俺がお前のこと好きだって言うのは本当のこと。

俺が龍心先輩忘れさせるっていうのも、本気だった｣

わかってるよ、侑希。

ちゃんと伝わっているから。