「じゃあ、お先〜♪」
あたしはなるべくいつもどおり振舞った。
龍心は多分、あたしの様子がおかしいことに気づいていた。
だから、あんなこと言ったんだし、あたしの変なお願いも聞いてくれたんだ。
「お待たせ!」
部室の前で待っていてくれた侑希に声をかけた。
「俺も今来たとこ。行こっか」
「うん」
今日は近くのバスケットコートで遊ぶ予定だ。
「着いた〜♪」
「やるぞー!」
あたしたちはシュート練や一対一を始めた。
いつ言いだそうか。
あたしはずっとそんなことを考えていた。
「心奈?」
「ん?」
あたしがフリースローを決めた瞬間、侑希が言った。
「何か言いたいこと、あるの?」
侑希、気づいていたんだ…。
「ずっと考え事してるっぽいからさ」
まっすぐあたしを見つめる侑希。
「侑希には適わないね」
「そりゃあね(笑)」
へへっと笑う侑希。
「あのね、侑希」
あたしはゆっくり息を吸って、話始めた。
