でも、そんな俺を察したのか、心奈は微笑んだ。

「ありがとう、龍心」

そんな心奈にドキドキする俺。

「別に…」

「ねぇ、龍心」

心奈は俺を呼んで立ち止まった。

「ん、どうした?」

俺も立ち止まる。

「頭…、撫でてほしい」

顔を赤くして、恥ずかしそうにそう頼んできた心奈。

そんな心奈を愛おしいと思った。

でも、こんなこと言うなんて、本当に何かあったんだと思った。

それでも聞かないと決めた俺は、

「ん」

いつものように心奈の頭を撫でた。

彼女は嬉しそうにありがとう、と微笑んだ。