駅に着いて、学校までの道をいつものように歩いていた。

「あっ、あたし今日用事あるから、先帰ってて!」

心奈がそう言った。

「まさか、侑希かぁ〜?」

冷やかすりこちゃん。

俺はあいと遊ぶのかと思ったけど、どうやら侑希のようだ。

やっぱへこむな、こういうの。

「うん、まあね」

でも何か様子がおかしい気がする。

デートだから緊張してんのか?

それとも少し違う気がする。

「あたしも宇海とデートしたい〜」

「宇海は忙しいもんね〜」

「でもバスケしてる宇海が好きだからいいの〜♪」

と、宇海の話題に移ったのを見計らって、俺は心奈の腕を後ろに引いて、2人で後ろに並んだ。

「どうしたの?」

不思議そうな顔をする心奈。

「いや、なんかちょっと、いつもと様子が違う気がしたから」

でも何か、聞いてはいけない気がして、聞けなかった。

あー、もどかしい!