「ここ、そろそろ行くぞ」

食卓から立ち上がりながら龍心が言った。

「えっ、今日一緒に行けるの?」

「おう、玲菜今日休むらしいから」

「そうなんだ」

なんか、ちょっと嬉しいって思ってる自分が居る。

自分の部屋に一旦戻り、カバンとケータイを取った。

見ると、ケータイにはメッセージが一件。

愛理だった。

愛理には侑希に言うってこと、言ったからね。

[今日言うんだよね?

今ならまだ間に合うから、ちゃんと伝えな?

応援してるから]

「愛理…」

返信は電車で打つことにして、あたしはケータイをポケットにしまった。

「ごめん!」

玄関で待っている龍心に謝った。

「電車ギリギリだぞ!走るからな!」

「えー!!」

「えーじゃねぇ!行くぞ!」

龍心はそう言ってあたしの手をとって走り出した。