心奈side

「んー…」

気がつくと朝になっていた。

夜中に龍心に寝かせてもらってから、あのまま寝ちゃったのか…。

「…龍心」

昨日わかったことは、やっぱりあたしは龍心が好きなんだ。

あたしは、あの笑顔に元気をもらってるんだ。

あたしには、あの手が必要なんだ。

やっと気付いた。


龍心以外の人を好きになるなんて、ありえないんだ――――。


「よし…」

今度侑希に会う時に、ちゃんと言おう。

今ならまだ間に合う。

そして、龍心に気持ちを伝えるだけ伝えてみよう。

結果は目に見えているけど、これからも今までどおり妹としてよろしくって言おう。

これまではただ、逃げてただけなんだ。

家族を壊したくないからって、

妹だからって、

フラれるのを恐れていただけなんだ。


もうあたしは、逃げない――――。