龍心side

「…寝たか」

いつの間にか心奈はすやすやと寝息をたてて寝ていた。

「おやすみ」

俺はそう呟くと、心奈の部屋を出た。

これ以上居たら自分を保てそうにないから。


「龍心の手は、あたしを安心させてくれるんだよ」


そう言った心奈の顔が頭から離れない。

自分でも思っていた以上に心奈に惚れてるんだな。

でも、もう遅い。

心奈には侑希が居るんだから。

俺は頑張って、玲菜を好きになるしかないんだ。

でも多分、まだまだ時間がかかりそうだから、もうしばらく、心奈を好きで居てもいいよな?

玲菜を好きになるように、頑張るから――――。