君色のこころ〜1番近くて1番遠い〜


あたし顔赤いのかな?

そんなことを考えていると、昔の事を思い出した。

「ねぇ、龍心」

「ん?」

優しく反応してくれる。

龍心のこの顔、好きだな。

「小さい頃もさ、こんなことあったよね」

「あー、あった、あった。引っ越してきた年の夏休みだろ?」

覚えていてくれたんだ…。

「二人で留守番してる時にさ、雷鳴り始めてさ、停電しちゃったんだよね」

あたしが小学1年生、龍心が2年生の時の夏休み、今日みたいに2人で留守番していた時があった。

その日もひどい雨と雷で、出かけていたお母さんと心結はなかなか帰ってこなかった。

「あれは焦ったよな〜、心奈泣き出すし」

「慌てる龍心初めて見たんだよね、あの時」

いつもしっかりしている龍心が初めて焦った。

あたしが雷苦手ってこと知らなくて、停電するし、あたしは泣き出すしですっごく焦ってた。