「中学の合宿ってキツかったよね〜」

「ぷっ」

あたしの発言に吹き出す龍心。

「どうしたの?」

なんでこれだけで吹き出すんだろう?

何も変なこと言ってないよね?

「わりぃ、今俺もそれ言おうとしてたからさ」

「そうなの!?」

「おう、気が合うな」

久しぶりに見た龍心の笑顔に、あたしの顔もほころんだ。

それから中学の思い出話をしながら、朝ごはんを食べた。

よかった、ちゃんといつも通りに戻れた!

「そう言えば、心奈今日予定あんの?」

食器を洗っているあたしに龍心が尋ねてきた。

「いや、何もないよ?
お母さん居ないし、洗濯とか掃除やろうかなって思ってる。
龍心は?」

聞いたあとに、しまったと思った。

ここで、玲菜先輩とデートとか言われたらどうしよう。

そう思って、身構えてしまった。