龍心side

朝起きてリビングに入るとドアの前で心奈が突っ立っていた。

心奈にしては休みなのに早いな〜

なんて呑気なことを考えていたら、

「てことで、りゅうと2人で家のことよろしくね」

と、母さんが笑顔で言った。

「「は?」」

思わず声が出てしまった。

心奈は俺に気づいていなかったらしく、振り向いて驚いていた。

そんな俺らを置いて、新婚カップルのように楽しそうに出かける両親。

待て待て、どこ行くんだよ?

「どういうこと?」

俺はとりあえずソファに腰をおろした。

「お父さんとお母さんは大学のサークル仲間と旅行で、心結は部活の合宿行ったよ」

そう言いながら、食卓の椅子に座る心奈。

「マジかよ」

「大マジ」

てことはこの家で心奈と二人っきり!?