翌朝、あたしは珍しく自分で起きることができた。

「ふぁ…、暑いなぁ、今日も」

そんなことを思いながら、階段を降りると、

「練習着忘れてない?」

「当たり前だよ」

玄関で大きな荷物を、持った心結とそれを心配するお母さんが居た。

「何やってんの?」

「見てのとおり、みーのお見送りよ?」

「なんでこんな大きいカバン持ってんの?」

「今日から二泊三日の合宿!」

「えっ、そうだったの!?」

知らなかった…。

思えば、あたしも中学の時これぐらいの時期に合宿に行ってたなぁ〜。

あの地獄の練習を思い出す。

きつかったよな〜、あの練習は…。

「頑張れよ、みー」

「うん、ありがとう!行ってきます!」

と、これから始まる地獄の練習を知らない弟は元気に出かけていった。