「別にいいじゃん。お兄ちゃん、あたし幸せー!的なオーラ醸し出してやれ!」
「向こうだってよろしくやってるわよ」
「よろしく…ねぇ…」
実際のところそうだ。
部活は玲菜先輩と行くし、帰りも送っていく。
今までの彼女はそんなことなかったじゃん。
「でもいつまでもこんなんじゃダメでしょ?」
「まあ…」
「せっかくの夏休みなんだから、ケンカ状態じゃ嫌でしょ?
今日帰ってからでもちょっと話してみたら?」
「がんばりまーす」
「よし、よく言った!
じゃあ、あそこの店見に行こう!」
愛理はアイスを食べ終わったばかりのあたしの腕を無理やり引っ張って店に入った。