「どうしたの、心奈」
トイレに入るなり、愛理は開口一番あたしに言った。
「侑希さ、あたしが龍心のこと好きって知ってるんだよね」
「え?」
愛理は驚いている。
「もちろん、本当の兄に恋してると思ってるの。
俺なら龍心先輩忘れさせれるって言ってくれてさ」
「…」
愛理は何も言わず、まっすぐにあたしを見つめていた。
「龍心が玲菜先輩とより戻したってことはさ、きっと本気なんだよ。
復縁なんてありえないって言ってる龍心なんだからさ。
だから…だから侑希なら本当に忘れさせてくれるんじゃないかなって思ったんだ」
