あぁ、この人なら本当に龍心を忘れさせてくれるかもしれない。 あたしはそう思ったんだ。 「いいの?」 「え?」 侑希なら、好きになれるかもしれない。 本当に龍心のことを忘れさせてくれるかもしれない。 「龍心のこと、忘れさせてください」 あたしは真っ直ぐ侑希を見つめてそう言った。 「ほっ…、ほんとに!?」 「うん、ほんと」 「マジ!?」 「マジだって!よろしくね、侑希」 「おっ…、おう!」 嬉しそうな侑希を見て、微笑んだ。 これでいいんだ、と自分に言い聞かせながら。