君色のこころ〜1番近くて1番遠い〜


それから、本当に何事もなく、駅に着いた。

「じゃあ、ありがとうね!」

「おう!」

そう言って、あたしは改札を潜ろうとしたが、

「待って」

侑希に腕を掴まれた。

真剣な表情をしているから、きっとあの事だろう。

「あのさ、その…、龍心先輩と玲菜先輩がああいう風になったじゃん?
だったら尚更、心奈は前に進むべきだと思うんだ。
真面目に考えてくれない?俺と付き合うこと…」

真剣な侑希の瞳に吸い込まれそうになる。