それが余計あたしに現実を突きつけた。
宛もなくただ走った。
練習で疲れているはずなのに、止まらなかった。
夏の太陽が照りつけて、汗がハンパない。
それでも気にせず走り続けた。
【妹】とか、【兄】とか、【兄妹】とか、
そんなものを振り払うかのように走り続けた。
どれぐらい走ったかなんて覚えていない。
ようやくあたしの足が止まった。
あたしが行き着いた先は、皮肉にも昔よく龍心と二人で遊んだ公園だった。
「はぁ…、はぁ…な…んで…こんなとこに……来ちゃう…のよ…」
そんなことを思いながらも、行くあてのないあたしはブランコに腰掛けた。
この公園は、まだこの街に引っ越してきて間もない頃、二人でよく遊んだ。
学校が始まる前の春休みは毎日のように来ていた。
