心奈side
「心奈、シュート率上がったな」
「でしょ?この自主練のお陰だよ〜!」
龍心と自主練を始めて数週間が経ち、来週から夏休みが始まる。
「朝から付き合ってる甲斐があるわ」
「これからもっと上手くなるもんね〜♪」
二人きりで体育館で自主練するのは、あたしの楽しみになっていた。
「あら、龍心、心奈ちゃんおはよう」
体育館のドアが開いて、玲菜先輩が入ってきた。
「はよ」「おはようございます」
ニコニコと、こちらにやってくる玲菜先輩。
「龍心、練習中悪いんだけど、備品運ぶの手伝ってくれる?
男手が欲しくて」
「あっ、おう。
心奈、ちょっと行ってくるわ」
「あっ、うん」
そう言って、龍心と玲菜先輩は出ていってしまった。
仕方ないよね、重たい荷物をか弱い玲菜先輩一人に運ばせるのはさすがに可哀想だし。
男手が欲しいほど、大きい荷物なんだろう。
一人でそう考えながら、黙々とシュートをしていると、入口から音がした。
見るとそこにはボールを持った侑希が居た。