君色のこころ〜1番近くて1番遠い〜


玲菜先輩の忠告を無視して、俺は保健室に向かった。

何だかとっても気になったから。

保健室の扉の前に来た途端、緊張し始めた。

気になるけど、怖い。

「よし…」

俺は覚悟を決めて、保健室の扉に手をかけた。

それでもやっぱり怖くて、扉をそっと開けた。

少し開けた隙間から、奥のベッドが目に入った。

そこには、抱き合う心奈と龍心先輩が居た。

俺は驚いて、思わず扉を閉めた。

「どう…いう…ことだよ?」

あの二人、兄妹だろ?

兄妹としてのハグには見えなかった。

お互いがお互いを大切に思っているって感じ…。

俺はしばらく、そこから動けなくなった。