君色のこころ〜1番近くて1番遠い〜


侑希side

龍心先輩が心奈を保健室に運んで行ったあと、俺は呆気に取られていた。

そりゃ龍心先輩は心奈の兄貴だけど、あんな血相変えて運ぶなんて…。

何か、モヤモヤする。

「はいはい、侑希くん、練習再開するよ!」

啓介先輩にそう言われ、俺は練習に戻った。

その次の休憩時間、俺は保健室に行くことにした。

龍心先輩はまだ戻って来ていない。

保健室に続く廊下を歩いていると、玲菜先輩が歩いてきた。

「玲菜先輩!先輩も心奈の様子見に来たんですか?」

「ええ、侑希くんも?」

いつものような笑顔で対応してくれる。

「はい、まあ」

「本当に心奈ちゃんの事好きねぇ。
でも、それなら今は行かない方がいいかもよ?」

と、意味深な言葉を残して去って行った。

どういうことだよ?