「あたしさ、高校で友達作る気なかったの。
地元の仲間だけで十分って思ってた。」

愛理の地元の友達は、夜間の学校に通ってたり、もう仕事してたりする人たち。

いわゆる不良。

愛理も中学の時は全然学校に行かなかったらしかったんだけど、今の彼氏さんに出逢って、学校は行っておかないと、後悔するって言われて、学校に行くようになったらしい。

今でもその頃の友達と集まったりしているらしい。
学校も遅刻したりするけど、彼氏さんの教えをちゃんと守っている。

昨日早退したのは、彼氏さんが病院から居なくなっちゃったから。

どうしてもやらなきゃいけない仕事があったらしくて、病院から逃げてしまったらしい。

「でも、心奈たちと友達になって、高校もいいとこって思えた。
もし心奈たちに出逢ってなかったら、学校来る回数もっと減ってたかもしれない。
だからあんたはあたしの恩人!
いつでも頼りな?」

愛理は照れくさそうだけど、今までで1番眩しい笑顔で笑った。

「愛理〜!」

嬉しくてあたしは愛理に抱きついた。

「愛理大好きぃ〜!」

「知ってる。あたしも心奈大好きだから」

ずっと一人で抱え込んでいたものを、愛理が聞いてくれるって言ってくれて、どれだけ嬉しかったことか。

龍心へのこの気持ちが、この先どうなるかなんてわからないけど、

前よりも気持ちが軽くなったのは確か。

愛理、本当にありがとう。