心奈side

「でも、あんたも大変よね〜」

「へ?何が?」

愛理の件が解決したつぎの日。

昼休みに愛理と2人で屋上でのんびりご飯を食べていると、彼女が突然そう言った。

「好きな人がお兄ちゃんなんてさ」

「ぶっ!なっ、なっ!なんでそのことを!?」

またまた愛理の爆弾発言に動揺するあたし。

これこそ誰も知らないはずなのに!

「見てればわかるって。
ま、本当の兄妹じゃないってこと知ってるからわかったんだけど」

「そんなに態度に出てる…?」

「本当の兄妹って思ってる人からしたら、ただのブラコンだから大丈夫」

「ブッ…、ブラコンって…」

まあ、バレてなきゃいいか。

「辛いけどさ、仕方ないよ」

「……」

「家族仲良く幸せなんだから、その幸せ壊せないよ…。
それに…、気持ちを伝えて、龍心と気まずい感じになりたくない。」

「本当にそれでいいの?」

「え?」

いつになく真剣な顔をしている愛理。

「いつかその気持ちがどうしようもなく膨れあがったら、そんなこと言ってられなくなるよ」

「……膨れあがる」

「今まで一人で溜め込んでたんだろうけど、これからはあたしに相談しな?」

「愛理…」