早く聞きたいと思いながら歩いていると、やっと侑希と別れて二人になれた。

数秒の沈黙のあと、俺は心奈に聞いた。

心奈が口を開こうとしたその時、あいがやって来た。

どうやら心奈とあいは友達だったらしい。

俺とあいが幼なじみと聞いて、心奈は驚いていた。

本当、あいは重要なことを全く言わない。

心奈が考えていたのは、あいがなぜ俺と心奈が兄妹じゃないなんて知っているのか、だった。

とにかく、侑希から何か言われたとかじゃなくてよかった。

そう言えば、兄妹じゃないって言葉を聞くの、久しぶりだ。


兄妹とか家族とかの言葉に今は苦しめられているけど、

兄貴だから心奈の近くに居られるし、

父さんと母さんが居たから、出逢えたわけで、

兄妹になるのはきっと必然的で、心奈の近くに居るための口実のようなものだと思う。

兄貴っていう立場を、前向きに受け容れるにはこう考えるしかない。