――――こうして、あたしのモヤモヤはなくなったのでした。



「ほんと、びっくりした〜」

愛理と別れて、2人で電車に乗った。

モヤモヤが消えたあたしは、すっきりしてにこにこだ。

「てか心奈が考えてたのって、もしかして俺とあいのこと?」

「へ?うん、まあ…。
夏澄が前に2人がしゃべっているの見たって言ってて、そしたら今日突然、愛理が兄妹じゃないのにねって言ったから…」

「そりゃ何も知らずにそんなこと言われたら、考え込むよな〜」

そう言って笑った龍心。

そう言えば、兄妹じゃないって言葉を口にしたの、久しぶりだな…。

血は繋がらないけど兄妹。

この現実は嫌だけど、あたしが龍心の傍に居られるのは、【妹】だから。

龍心を想っている女の子は、ずるいって思うかもしれない。



それでもあたしは、

距離は1番近くても、恋愛対象からは1番遠いんだよ?

だから、せめて傍に居ることだけは許して?