一瞬 頭の中が


真っ白だった


これは・・・夢?


私は まだ寝てるの?


「・・・平気」


そう言って 立ち上がって


歩き出した


「待って!」


「・・・」


後ろから 裕の声がする


どうして ここに居るの?


聞きたい事が いっぱいあるのに


これ以上 辛い思いは


したくないのに・・・


「・・・藍実!」


ドキン


その言葉で 足が止まった


今・・・なんて?


振り返る事が出来ない


だって 振り返ったら・・・


裕が 近付いて来るのがわかった


動けない・・・


ドキン ドキン・・・


ぎゅ


後ろから 裕に抱き締められた


「・・・少しだけど


思い出したんだ」


「・・・」


「ごめんな? ずっと・・・


不安にさせて」


悪いのは・・・裕じゃない