それより どうしよう・・・


私は そっと顔を上げる


ドキン


裕の顔が こんな至近距離に


「・・・藍実ちゃん?」


私は 裕の頬に手を伸ばす


自分でも 何をしようと


しているのか わからなかった


少し 背伸びをして


気付けば 裕にキスをしていた


どうかしているのかも しれない


私の事を 思い出してほしいとか


そんなんじゃない・・・


そっと 唇を離す


「・・・ごめんなさい


今のは 忘れて」


そう言って 裕から


離れて走って図書室を出た


ドキン ドキン・・・


どうして キスしたのか


わからなかった


玄関に着いて 靴に履き替えて


学校を出た