行ってみると そこには


私のスマホを持っている


裕が立っていた


「・・・どうして?」


「本 読んでたら


音がしたから・・・」


スマホは ずっと鳴り続けている


私は 裕に近付いて


手を伸ばした


「・・・それ 私の」


「ああ はい」


そう言って 裕は


私の掌にスマホを置いた


電話・・・ 出なきゃ


だけど 出れない


しばらくすると 着信が切れた


「早くしないと・・・


学校閉まっちゃうよ?


5時半までだから」


ドキン ドキン・・・


その時だった


『まもなく 閉校時間です


校内に居る生徒は


速やかに 学校を出て下さい』


学校が 閉まるアナウンスが流れた


「・・・早く 行こう?」


ドン


本棚が 肩にぶつかって


その拍子に 本が


落ちそうになった


「危ない!」


本が 雪崩みたいに


落ちて来た


「・・・大丈夫?」


ドキン


私は 裕と本棚に挟まれた


状態になっていた