もともと頭よかったからな・・・


試験は 1位で


苦手な科目なんてない


裕の事なら なんでも


知ってるのに・・・


今は・・・悔しい


ポタ


涙が 零れ落ちたのがわかった


「藍実ちゃん? どうしたの?」


裕は 少し慌てていた


「・・・わからない」


「え?」


もう 何もかもわからない


どうして思い出さないの?


2年も・・・


その時 裕の掌が頬に触れた


「・・・大丈夫?」


「・・・」


大丈夫じゃないよ


今だって 辛いのに


どうすればいいのかさえ


わからないのに・・・


「どうして・・・優しくするの?」


私の事 わからないでしょ?


私の事 忘れてるでしょ?


「・・・放っておけないから


なんか 藍実ちゃんの事


前から知っているような


気がするんだ」


ドキン


それは・・・期待してもいいの?