ドクン ドクン・・・


「ちょっと・・・裕君


冗談でしょ?」


鈴乃は 少し笑いながら


言っていた


「・・・悪いけど その子の事


俺 知らない」


私は 気付けば病室を飛び出していた


ウソだ・・・


これは・・・夢だ


それからの事は 覚えていない


鈴乃の話によると


私との待ち合わせに向かう途中


子供が車に轢(ひ)かれそうに


なった所を助けて事故に遭ったらしい


事故から・・・数日が経ったある日


私は 裕のお見舞いに行った


「裕君 すごーい!


この問題 本当に難しいのに」


裕の病室の前で そんな声がした


そっと開けると 同じ年ぐらいの


女の子と裕が楽しそうに


話をしていた