今更って 思うかもしれない


だけど 仕方ない


思い出してって願っても


意味ないって思ってしまう


私の事を・・・全部忘れて


しまったようなモノだから


「・・・ありがと 鈴乃」


「うん・・・大丈夫?」


「平気だよ 慣れたから」


慣れなきゃ・・・いけない


裕は もう・・・


私の彼氏じゃない


別れた訳じゃ・・・ないけど


未練とかないなんて言ったら


ウソになる


「藍実ちゃん」


ドキン


声をかけられた方を見ると


裕が立っていた


「・・・私 先生に呼ばれてたの


忘れてた」


「え?」


鈴乃は そう言って


廊下を歩いた


ドキン ドキン・・・


どうしよう


「・・・何?」


「あのさ・・・放課後空いてる?」


え?


突然の言葉に 目を見開いた


「あ・・・うん


特に予定はないけど」


遥人は バイトで忙しくて


鈴乃は 塾・・・


最近私は1人で帰っている


帰っても やる事がない