少しだけ・・・緊張して来た


駅前の時計の前で


10時に待ち合わせ


今 9時40分


あ・・・居た


ゆっくりと近付く


「・・・あの」


「・・・藍実ちゃん 来たね」


翔君は そう言いながら


笑っていた


「急に・・・ごめんね?」


「気にしないで?


どこ行こっか?」


あ・・・どうしよう


考えてなかった


「あの・・・私はどこでも」


どこでもじゃ困るよね?


ぎゅ


翔君は 私の手を握った


「そんな顔しないで?


それじゃあ 藍実ちゃんが


元気になれる場所に


連れてってあげる」


「え?」


グイ


翔君は 私の手を引いて


歩き出した


「あの・・・どこ行くの?」