だけど・・・隠し事は


したくない


「藍実?」


「・・・私」


手が 少しだけ震えた


「・・・言っただろ?


無理して言わなくていいって


落ち着くまで 待つから」


そう言いながら 裕は


少し心配そうな顔をして


笑っていた


「・・・ごめんなさい」


「謝らなくていいから


俺は 藍実を信じてるから」


ドクン


"信じてるから"


その言葉が 痛く感じた


せっかく信じてくれてるのに


私は・・・裕を裏切る事を


してしまった


「また・・・あの海行かないか?」


「え?」


ドクン


「行けば少しは気が楽に


なるだろ?」


「・・・そうだね」


本当は 行きたくなかった