その後は 何も言えなかった


ただ・・・私は


遥人に振られた


「本当に・・・ごめん」


「・・・謝らないで」


謝るのは 私の方


ずっと 遥人の事を


知らない内に 傷付けていた


すると 遥人は私の頭を


撫でていた


「今まで・・・ありがとな?」


「・・・うん」


そう言いながら 遥人は


私から離れて 階段をおりた


残された私は 立ち尽くしていた


本当に謝らなきゃ


いけないのは 私の方・・・


「う・・・ふぅ・・・」


涙が頬を伝ったのが


わかった


ごめんね・・・遥人


「藍実?」


ドキン


声のする方を見ると


裕が立っていた


私は 慌てて涙を手の甲で拭う